クリスが先月のある夜、突然に「ネコを飼いたいな…」とつぶやいた。クリスは子供の頃にネコやイヌを飼っていたのでペット慣れしている。でも私はペットといえば金魚しか飼ったことがないし、生き物を飼う自信がなかったのですぐには乗り気にならなかった。
一方、我が家では2月頃から夜になるとカリカリカリ.…ネズミが出るようになった。
罠をしかけたり、超音波を発する機械を取りつけたり…あらゆる対策を試みたけど完全駆除にはいたらず、寝不足な日々が続いていた。
友人や大家さんに相談すると一様に「ネコを飼うのが一番だよ。」 うう・・・やっぱり猫を飼うしかなさそうだぁ…。
そんな頃、友人から「知り合いの家で子猫が生まれて里親を探している」との情報が入ったので、これも何かのサインだろうなと感じた。
そして先日の9日、ひとまずは子猫たちを見に行くことになった。
白い子、グレーの子、グレーに黒いストライプの子…数匹の子猫がいる中で「キジトラ」(茶と黒のストライプ)の子はとても人なつっこくて元気な様子。生後32日で、ちょうど離乳期だということなのでその日に引き取った。
名前はLeela(リーラ)。ヒンズー語で“playful”=遊び心、やんちゃ、という意味で女の子の名前でもあるようです。ちなみにメスの方が良いハンターになるということもあり、リーラはメス猫。
希望叶って嬉しそうなクリス ↓
私ははじめ、子猫をどうやって持つのかも分からない状態。でもリーラのあまりのかわいさに徐々にハートを奪われていった。
うちに来た最初の晩、私が手でなでなでしてあげるとゴロゴロと喉をならして甘えてくる。気に入ってもらえたようでひと安心。私の白いパイル生地のフワフワしたパーカーが気に入ったようなので(母猫が白ネコだからかな?)、その夜はそのパーカーをベッドにして寝かせた。
翌日、一人にしてしまうのはかわいそうだと思いつつ、リーラのミルクや哺乳瓶を買うためにホームセンターへ。帰宅すると、ベッドにしていた白いパーカーに黄色いシミが一点。下痢をしたのか、吐いたのか分からないけど、クリスが調べた結果離乳期のネコは胃腸がまだ機能しないためこんなこともあるのだとか。だからあまり気にせずにいた。

リーラは子猫用のミルクをあまり飲まないので、もう卒乳かな?と解釈し、離乳食のペースト状のエサを与えた。こちらも少しは食べるものの、それほど好きではなさそう。翌朝見てみると、パーカーには夜の間にシミが3個ほど増えていた。でもリーラが元気そうなのでさほど気にせず餌を与えた。相変わらず少しナメる程度しか離乳食を食べてくれないけど、水を飲むのが上手になってきた。かなり元気でカーテンや網戸をよじのぼって、名前のとおりのやんちゃっぷり。
5月11日。お気に入りの遊び場は日が差す窓辺付近。カーテンで遊んでいる ↓
5月11日。窓のサッシにスッポリとはまってしまうほど小さいリーラ。下がゴツゴツしているのに、かなり気に入った様子。 ↓
12日の朝、ネコ用のトイレに初めてウンチをした。これは順調に成長しているね、とクリスとひと安心したのもつかの間、その直後から心なしかいつもの元気がない。前ほど鳴かなくなったし、寝ている時間が妙に長い。そしてほとんど食べなくなってしまった。
それでもボールで遊び始めたり、仰向けに寝ている私の足によじ登り、そこからジ-っと私の目を見つめながら顔まで歩いてきて、なんと私の口にキス(鼻で突っつく)をしてくれた。すっかりなついてまるで私を母親のように慕ってくれる。もうかわいくて仕方ない。
一日中ほとんど食べないので夕方になって色々工夫してなんとか少し食べさせたら、間もなくして吐いてしまった。その後はグッタリしていて、抱っこしているとすぐに眠った。その日の夜はcafe風流でのライブに出かけることになっていたので、後ろ髪を引かれる思いで寝ているリーラを置いてクリスと出かけた。リーラが心配なのでライブの途中で帰ることにしたけど、それでも4時間半ほど一人にしてしまったので本当にかわいそうだった。
12日。私の足に乗っかるリーラ。

玄関を入ってリーラの名前を呼ぶとよちよち歩きでこちらに向かってくる。きっと寂しくて鳴いていたんだろうなぁ…。
でもリーラは声がほとんど出ないぐらい衰弱していた。そして餌には手をつけた様子がない。体重を測ったら10日の朝には427gあったのに、377gに減っていた。いよいよ心配になってきた。明日、動物病院に連れて行かないと!
その晩、リーラのことが気になって私はほとんど眠れなかった。ネットで離乳期のネコについて色々と調べて、リーラにはもしかしたら離乳食はまだ早くて、ミルクを飲ませるべきだったのではないかと思い始めた。
翌朝、リーラの母猫の飼い主に紹介してくれた友人に連絡したら、なんとリーラの兄弟2匹はそれぞれの里親の元に行ったものの、食欲がなかったり元気がなかったりして、一匹は母猫の元に戻っているという。そしてもう一匹は病院に連れていったら熱があり、ウィルス性の病気にかかっていたようだ。抗生物質や薬を与えたものの効果がなかったので母猫の元に戻したが、悲しいことに死んでしまったそうだ。ドキッとした。急にリーラが死んでしまうかもしれない可能性を知り、無償に悲しくなって涙が止まらなかった。でも今のリーラにとって一番良いのは母猫の元に戻って母乳を飲ませてあげることだと直感した。
そこでHさん宅に電話をし、朝7時にリーラを母猫の元へ戻した。
9日の夜から13日の朝までというとても短い時間だったけど、私はすっかりリーラに情が移り、母親のような気持ちになっていた。
人間も動物も、赤ちゃんというのは本当にかわいくて愛おしい。そしてケアをする人にとって新しい存在価値を与えてくれる。
リーラのおかげで味わったことのない喜びと悲しみをこの数日で体験した。もしリーラが死んでしまうようなことがあっても母猫の元であればそれが彼女にとってはベストだ。でもやっぱりリーラが再び元気になってうちに戻って来てくれるのが一番いい!! リーラと別れてからは繰り返し祈る。
Hさん宅に戻ってから間もなくして、リーラと兄弟猫が母猫のミルクを飲んでいる写真が送られてきた。
ひとまずは安心した。リーラの兄弟が母猫のミルクを吐いてしまったらしいので、完全には安心できないけれども、食欲があるのなら期待できる。
そして13日の夕方Hさんにリーラのその後の様子をメールで尋ねて見ると、「母猫のおっぱいを飲み、今のところ元気に走り回っています。」とのこと。その時はちょうどおっぱいを飲んでいるところだったので、以下の写真も送られてきた。

良かった~!!!!!
リーラが母猫の元で健康を取り戻してきている!!
最悪の事態を覚悟していただけに、奇跡が起きたように嬉しい。
今回のことで多く学びがあった。 子猫は多くの場合、お乳を飲んでいるのに捨てられたりしてしまうけれども、理想的には母猫の元で生後2、3か月まで過ごすのが良いそうだ。リーラはまだ生後1か月ほどだったので、突然母猫や兄弟猫と引き離され、離乳することになり、引越しをするという三重苦によるストレスで病気になってしまったようだ。動物の自然の成長をもっと尊重してあげる必要があった。これを教訓に、今度こそリーラにとって良いタイミングで引き取れれば良いな…。そして一回り大きくなったリーラがうちの子になってくれる日を心待ちにしている。











































































