24 Mayインドへの旅 その5:多様な人種・宗教・言語の街

5月24日、日曜日。

マクロードガンジでの朝食は大抵、Green Hotelのすぐ近くにあるPeace Cafeのテラス席で。IMG_0087
この絶景を見ないと一日が始めらない…
IMG_0079
IMG_0080
この日は前日にダラムサラ入りしたアキバの友人、Davidに紹介された。
Davidは台湾系アメリカ人で、アキバ同様にアメリカで生まれ育っている。
フォトグラファーの彼はダラムサラでは10年ほど年間8ヶ月を過ごし、すっかり地元のコミュニティーとも溶け込んでいる。
「何か知りたいことがあったらいつでも連絡してね」と親切にオファーしてくれた。

アキバとDavidは色々な用事があるというので、今日は別行動。
アキバは今回hillhacksに顔を出しつつ、Davidと共にダラムサラにhackerspaceを設立する予定なのだそうだ。
hackerspaceは技術系のハッカーたちが集まり、交流をしたり色々な物作りをすることができる共同スペースで、世界中に存在する。
ちなみにアキバと私の夫のクリスは2008年頃にTokyo HackerSpaceで出会った。

アキバも本格的に忙しくなってきたから、これからは別行動をとる時間が増えそうだな…。
そもそもアキバは今回2週間だけの滞在で、私は1ヶ月以上。彼は私がこの地に慣れるために色々と教えてくれているけれど少しずつ自立していく予定なのでした。

そんなこんなで二人のハッカーたちと別れて私はお買い物♪
今回の旅でぜひ手に入れたいと思っているのが何らかの女神像。
女神のわを開催する時に輪の中心に祭壇を設けるているけれど、その中に必ず女神像を置く。
小さくても良いから美しい表情をしている女神像はないかなぁ…と最初に入った店で気に入ったのがこの女神ターラ像 ↓
店員が言ってきた値段は2800Rs(5320円)。でもインドでは提示された値段では絶対に購入しないのが常識。
「1500Rsぐらいなら出せる。」と伝えると「No~!どこの店に行ってもそんな値段では売ってない。この女神像はブラス製で…….」と立て続けにまくしたてられて一切動じない。
「他の店がどんな価格で売っているか調べてから再検討する」と言って店を出た。

IMG_0088
それにしても、マクロードガンジの道は狭いが故に車とバイク、歩行者で道は混雑し、超カオス。やたらに鳴らされるクラクションの音がうるさい。そして道の端にはゴミが落ちていて汚いし臭気を放っている。乗り物からの排気ガスが強烈でまともに呼吸できないし、目には埃が入る。さらに物売りがしつこくて、男性(主にインド人)の視線がうざい。五感全部がネガティブに刺激される。
日本で田舎暮らしをしているせいで普通の人より許容範囲が狭くなっているかもしれないな。そろそろ街を離れてもっと静かな場所に移動したいなと思い始めた。
IMG_0089
IMG_0090
道行く人々はインド人、チベット人、様々な国からの観光客…本当に多様だ。
IMG_0091
犬はこの通り、暑くなってくると店の入り口で寝転がっている。無防備な姿が微笑ましい。
IMG_0092

今回はバックパックの旅で持ってきた服が少ないため、衣類店をいくつか覗き始めた。
でも正直、かわいい服がない!日本では絶対着ないだろうなぁ~と思う物ばかり。しかも生地の質も縫製も悪くて、数日着たらほつれてきそう。
さらに大抵の店では店番の押しが強く、交渉している内に買う気が失せる。
それでもせっかくダラムサラにいるんだから、色々見てみようとしらみ潰しに店に入った。
そして疲れてきた頃、この店が目に入った。
IMG_0096

すぐに店員のお兄さんが話しかけてきたけど、珍しく感じの良いお兄さんだった。
話をしている内にすぐに打ち解けた。彼の名前はFirdousといい、カシミール出身。半年前に従兄弟を頼ってダラムサラにやってきて、同じ店で働くようになった。
Firdousは半年前までは一切英語を話せなかったらしい。けれども今や日常会話には何の支障もきたさないほどの英語力。
半年の間にこれだけ英語が話せるようになるのは、彼の持ち前の能力に加え、英語を話せないと仕事や生活に支障をきたしたからだろう。
日本人によく「どうやったら英語を話せるようになりますか?」と聞かれるけれど、「英語を話すことが何よりも楽しいと思えるか、あるいは死活問題が関わってくると嫌でも話せるようになるよ。」と私は答えている。
やがてFirdousの従兄弟であるSunnyが現れ、もう一人の従兄弟(名前を忘れた^^;)もお茶や食べ物を持ってやって来た。

左から名前を忘れた従兄弟、Sunny、そしてFirdous ↓
IMG_0093
彼らは丁度休憩をとるところで、チャイ(インド風ミルクティー)とParantha/パランタ(インド風パンケーキのような物)をテーブルに広げた。
「Elliもチャイをどうぞ。」とFirdousが勧めてくれたのを遠慮すると、Sunnyが、「何を言っているの~。僕たちはみんな友達だよ。店員だろうが客だろうが関係ない。さあ、どうぞ。僕たちは3人だけど、お茶は4つ。これは君のためのものだ。」そう言ってチャイの入っているコップを手渡してくれた。さらに、「これも食べて」とParanthaを手でちぎって手渡された。衛生的な意味で気が進まなかったけれど、せっかくのオファーを断ることができず、おずおずと受け取って口に入れた。

その内にアジア系の顔立ちをした女性と少女が店に入ってきて、Sunnyから手渡された布を一枚一枚広げて、問題がないか丁寧に調べ始めた。
するとFirdousが「お祈りの時間が来たから行ってくる。10分で戻るから、お店よろしくね。」と私に言い残して出ていった。
「え!?私、ちょっと前にこの店に初めて来た観光客なんですけど…(笑)」。うーん、インドならではの現象だなぁ…。日本では絶対にあり得ないからとても新鮮。
Firdousたちはイスラム教徒で毎日何回かにわたってお祈りをするために近くのモスクに行っているらしい。
ダラムサラに住まうインド人にはヒンズー教徒もいればイスラム教徒もいる。そしてチベットの亡命政府があるため、仏教徒も多い。さらにキリスト教の教会も街中にある。

店に残された中国系の母娘と私は会話を始めた。
母娘は中国出身で、母親のLanさんはチベット僧侶たちが着るえんじ色の法服となる布をこの店で仕入れて、ここから車で30分ほど山を下った自分のお店で売っている。その布はカシミール地方の特産品なのだとか。私は軽く衝撃を受けた。何せ、チベットは中国政府から侵略されて、ダライ・ラマをはじめ多くのチベット人は亡命を余儀なくされている。
そんな中、中国系のLanさんはチベット僧侶たちを相手に商売をしている。彼女にそのことについて尋ねると、「私たちは同じ仏教徒だもの。だからどこの国から来ているかは関係ないのよ。みんな平等に私たちを見てるわ。」IMG_0094
なんだか感動した。自国の政府が何をしていようと、人々は相手の出身国に関係なく交流とつきあいがある。だからメディアなどの偏った情報に流されずに、日本にいても、海外に出かけてもこうして色々な国の人と接することが大切だなと思う。

Lanさんの13歳の娘さん、Ziguiちゃんはチベット人学校に通っていて、中国語、チベット語、ヒンズー語、英語が話せる。ドイツ生まれだからドイツ語も話せると言う。私は5ヶ国語を話せるこの少女に感激した。彼女は中国人の母親をもっているから中国語を、ドイツで生まれたからドイツ語を、チベット人学校に通っているからチベット語を、インドに住んでいるからヒンズー語と英語を話せるのだ。ダラムサラという環境ならではの現象だなぁ、と改めて実感。日本ではなかなかこんな多言語を話す人とは出会えない。
彼女は宮崎駿アニメのファンで、日本語にもとても興味があり、いつか日本を訪れるのが夢だそうだ。宮崎駿アニメの話で盛り上がっていると、Firdousたちが戻ってきた。

様々な人種、宗教、言語、文化が共存している街、ダラムサラ。
2時間ほどこのお店に入り浸り、現地に住む人々と話をする中でこの街について色々な学びを得ることができた。

IMG_0095
ホテルに帰る途中、アキバからメッセージが入り、「これから韓国レストランでDavidとTsusten(IT系の仕事をしているチベット人女性)と一緒に夕飯を食べるからよかったらおいで」と誘われた。
彼らと合流し、とりあえずはお茶を頼んで飲んでいたら次第に気持ち悪くなってきた。
これから食事を摂ろうとしている彼らには申し分けなかったけれど、「疲れているから今日はこのまま部屋に戻る」と伝えて部屋に向かった。
そして間もなく私は吐き気をおぼえて、戻してしまった。
インド到着5日目に、こうしてインドの洗礼を受けることとなる…

***********************

その他のインド・ダラムサラへの旅2015のブログ:









 

Comments are closed.