05 Junインドへの旅 その16:哲学的な対話と世俗的な楽しみ

6月5日、金曜日。

変化が欲しくなってランチをいつもとは違うカフェで食べることにした。
ゲストハウスの裏の道を上がっていくとDivine Natureというカフェにたどり着いた。
「神聖な自然」というすごい名のカフェ。一体どんな物を出しているんだろう?

IMG_0043メニューを見るとオーガニック・ヴィーガンカフェのよう。
お客さんは私一人。
とりあえず座って何か注文しよう。
インドに来て始めてブラウンライス(玄米)を食べた。
IMG_0044それにしても景色が良いなぁ~。
ここはWiFiがつながらない。
もう少し街中のカフェだと大抵WiFiはつながるけれど、こういう静かなところにあるカフェは敢えてネットにつながらないようにしている場合もある。
「ネット上ではなく、リアルな人と人の触れ合いをしようよ」という雰囲気が醸し出されている。
とは言え、私は一人だから特に話す相手もいない。一人で食べ物を味わうことを楽しもう。
なんてようやく一人で過ごすことに慣れた頃…
IMG_0045一人のインド人青年がやってきた。
彼はどうやらここの常連らしく、お店の人たちに親しげに挨拶をしている。
やがて私の隣の席に座り、案の定話しかけられた。
彼の名はRoshi。
毎年この季節になるとこの近くでヨガと瞑想の先生をしに来るらしい。
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彼とは「瞑想」というキーワードをきっかけにインドでの仏教の影響、日本の神道の精神性、などについて多岐に渡る話をした。
こういう宗教や精神哲学などのディープな会話をしたのは今回の旅では始めてだったのですごく刺激的だった。
やっぱり、私はこういう話が好きだなぁと改めて実感する。
私が日本で開催している「女神のわ」について話すと、とても関心を持ってくれた。
「具体的に何をするの?」と聞かれたので、女神のわでよくやるいくつかのエクササイズについて説明をすると、
「それは素晴らしいね。ぼくの瞑想のクラスでもぜひ取り入れたい」と言っていた。
「君が扱っているのは最も素晴らしい教えだ」と言う。
彼はふいに「人はなぜ瞑想する必要があると思う?」と私に尋ねる。
そこから色々と意見を言い合うのだが、彼の言った言葉で最も印象に残っているのは:
「人は自分の中でいつも分裂が起きている。例えば自分が嫉妬の感情を持ったとする。
するとまずは嫉妬の感情がある一方で、「嫉妬は悪いことだ」と自分を非難する声もある。
ここで分裂が生まれるんだ。自分の中で二つの全く違う声がある。それが人間の苦悩の始まりだ。
瞑想をすることで自分を一つに統合する必要があるんじゃないかな。」
さすがは瞑想の先生。とても説得力があった。
彼はとても品があっていかにも育ちが良さそうな雰囲気と話し方をする。
へええ、こういうタイプのインド人もいるんだな~となんだか新鮮だった。

1対1の会話だと、相手と話題が合わない場合はむしろ一人で過ごしていた方が良いこともあるけれど、
Roshiが話しかけてくれたことに感謝した。

1時間ほど話した後、私はこれからBahgsuに用事があるからと言ってDivine Natureを後にした。
そう、この日私は服が買いたかったのだ。
日本から持ってきた服では朝や夜が寒いし、上も下も2、3枚しかないのでもうちょっと欲しかった。
この界隈で服を買えるのは街中のMcLeod GanjかBahgsuと聞いたけどMcLeod Ganjの店だとGreen Hotel滞在中に見た感じだとあまり欲しいと思えるのがなかった。
生地もデザインも今一つだし、数日着たらどこかがほつれてきそうな縫製の大雑把さ。とても日本では着られた物じゃない。
ここに滞在中に着るだけだから…と言って使い捨て感覚で買う旅行者も多いみたいだけど、私はできればそれはしたくない。
そんなこんなでシラミ潰しにBahgsuに存在する店に入って売りに出されている服を手に取ってみた。
でも残念ながら長く着れそうな服を売る店は見つからない。
やっぱり服を買うならダラムサラではなくて、デリーかな…なんて諦めかけている頃にふと目に入った看板。
道からは奥まっていてちょっと分かり辛い場所に、なんだかとてもかわいい雰囲気の店を見つけた。

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店の名は“Kushi”、ヒンズー語でHappyという意味。
東京在住の頃、ボリウッド(インド)映画をよく見ていたのだけれど、”Khabi Kushi Kahbi Gam”というのがあり、その意味が “Sometimes Happy Sometimes Sad”というのを覚えていた。
ボリウッド映画好きがこんな時にふと役立つなんて…^^

中に一歩踏み入れると、女子なら誰もがワクワクするようなかわいくてお洒落な服や雑貨がところ狭しと、でもとてもセンスよく並んでいる。
一目で、「ここは他の店とは次元が違う!」というのが分かる。

IMG_0049品が良いだけにお値段もそれなりにする。
どうやらインド製だけれど、ヨーロッパのデザイナーが手がけているらしい。
良い物だから絶対に長く着られるのが分かる。
こんな店が日本にもあればいいのに、と思うほど素晴らしい品揃えだった。
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あまりのかわいさについついファッションショーを始めてしまった。
店員のインド人のおじさんも、「どうぞどうぞ、好きにとっかえひっかえしていいよ!」
と気前が良い。
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このKushiという店の店員、Krishnaは、恐らくこの旅で出会った最も強烈なキャラクター。
私が店に入った時、彼は日本人女性(お客さん)にお茶を振る舞っていた。
「あなたにもチャイをあげるよ」と言うKrishna。
とてもフレンドリーなのは良いが、同時に女好き丸出し。
さっき店に入ってきたという日本人女性とも会ったばかりだというのに、カメラを向けると肩に手をかけてるし…
そして、ちょっと引いている様子の彼女(笑)。

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でもKrishnaのエネルギーは強烈で、いつの間にか友達になってしまう。
彼は人(いや、女だけか?)との間に一切の壁を作らない。
なのでこっちは聞く気があればすぐに会話が始まる。
なんと彼は19年もSadu(Babaとも呼ばれる)をやっていたらしい。
Sadu/サドゥーとはあらゆる物質的・世俗的所有を放棄し、肉体に様々な苦行を課すことや、瞑想によりヒンドゥー教における第四かつ最終的な解脱を得ることを人生の目標としている。(出典:Wikipedia)
どうりでなんか普通じゃない雰囲気を醸し出していると思ったけれど、彼はふんどし一枚で19年インド中で修行したと言っていた。
「どうしてSaduをやめたの?」と尋ねると、
「文明生活の快適さが欲しくなったんだね」とこぼす。
「今は友人を手伝って、この店の店番をしたり色々なことを教えてるよ。」
そう言ってくれたチラシを見るとヨガ・チべタンボウル・インド料理・ジャンベなどなど、色々なことを教えているらしい。
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気付けば、私も甘いチャイをご馳走になっていて、この店に2時間近く入り浸ってあれこれ話したり試着していた。
ああ、あれもこれも欲しい!でもお金が…
結局600Rsのヒッピー風のシャツを購入し、この日は家路に着くことにした。
「明日もまたおいで!僕のシフトは16:00からだから。よろしくね~」
「は~い」と適当にあしらったが、近い内に絶対にまた行くことは間違いない。

そんなにたくさんの人と話した訳ではないけれど、今日も濃かった…。
何よりもRoshiとのディープな対話、Krishnaの店での世俗的な楽しみがとても対照的な一日だった。

明日はHillhacksで踊ることになっている。
ゲストハウスに戻ってからインドでの初ステージに向けて準備をした。

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